高齢者向け住宅

入居者に聞くシリーズ生の声①「当たり前の事に感謝を」

公開日:2018年10月9日|更新日:2018年11月29日

サービス付き高齢者向け住宅に実際に住む方の生の声をお届けするコーナーです。「サ高住を探したきっかけ」や「暮らしの中で感じたこと」などを語っていただきます。

今回は静岡県御殿場市にあるサービス付き高齢者向け住宅「ゆずり葉の森」にお住いの『長谷川敬子さん』を取材してきました。

目次

「主人の頭に毛が生えた」

「入居して3年。段々主人が元気になっていくのが実感できて何より嬉しい」と笑みをこぼす。
入居当初、2人のヘルパーの介助が必要だった入浴も、今では毎朝自分の力だけでできるように。各居室と大浴場に引き込まれている天然温泉が功を奏したのか、頭部には少しずつ髪の毛も生えてきたという。
最近は、夫を連れてドライブに出かけることも。「何もかもが充実とは言えないが、今は2人で穏やかに過ごせている」とニッコリ。

苦労の数だけ強く生きれる

サ高住への入居を考えたのは約5年前。夫が人工透析を要することになったことがきっかけで、実家を引き払い引っ越すことに。長年生活した神奈川の住居には、今でも愛着があるが夫の体調を第一に考えた。
部屋探しでは、探し始めた時に担当してもらった募集会社の担当者と偶然「ゆずり葉内覧バスツアー」で再会し「この人がオススメしてくれるなら大丈夫」と入居を決めた。
大変なこともあるが、「戦争中に比べれば大したことはない。あの頃は虫を食べてでも生きてきた」と力強く話す。85年間の人生は楽しいことばかりではなかったが、その時支えになったすべての事に感謝しながら日々を送る。「目が見えて、耳が聞こえる。それを当たり前と思わず、全てに感謝している」

二人三脚の人生

生まれは都内だったが、戦争を機に疎開。その後移り住んだ神奈川県藤沢市の家には、夫の繋がりでアフリカ各国から多くの人が連日のように訪れ、感性が磨かれた。特に、そうした人に招かれて訪れたアフリカのサバンナでは「大草原を前にすると、自分がなんとちっぽけな存在なんだと驚き人生観が大きく変わった」と当時を懐かしむ。その後は、難聴者のために活動をしたり、韓国に教会を建てる一本の釘になるなど、ワールドワイドに活躍。感謝状なども沢山授与されたが「紙よりもみんなからの『ありがとう』の言葉の方が嬉しかった」。
夫との出会いは、60年前に遡る。当時多くの男性との出会いがあったが、芯の通った性格と人の悪口を決して言わない温かな性格に惹かれた。子どもとの死別などつらいこともあったが、夫の温かさに包まれることで「我が子の分も強く生きよう」と思うことができた。「主人は今も毎晩『今日もありがとう』と寝る前に言ってくれる。二郎さん(夫)を強く推してくれた母にも感謝」と目を細める。

93歳「人生これからだ」

今後やってみたいことは「油絵」。水彩画やデザインはかじっているが、今後是非挑戦してみたいと意気込む。当時の住まいでやっていた庭いじりの延長で、植木鉢を整えるのが毎日の楽しみ。
そうしたパワフルさの源は93歳になる夫の姿勢。車いすに乗る機会も増えたが「まだまだ人生これから」を合言葉に毎日様々なことに精力的に取り組んでいる。「『ババアになったしもういいや』とは絶対に思わない。二郎さんより1日でも長く、元気に寄り添って生きていくのが今の楽しみで目標です」と力強く微笑んだ。

ゆずり葉の森 サービス付き高齢者向け住宅登録情報
編集協力 樋口彰治(高齢者住宅協会/神奈川ロイヤル株式会社

公開日:2018年10月9日|更新日:2018年11月29日

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