今こそ知っておきたい!大切な人を熱中症から守る「熱中症対策実行計画(R5年5月30日閣議決定)」のポイント

梅雨が明けて、これから1年間で最も気温が高い時期になります。
気候変動の影響に伴う平均気温の上昇により、熱中症による国内の死亡者数は増加傾向にあり、また、地球温暖化の進行により、今後、極端な高温等が起こる頻度の増加が見込まれることから、大切な人の命を守るための熱中症対策の強化が急務となっています。

厚生労働省は令和5年7月21日に事務連絡「熱中症対策のための高齢者への見守り・声かけのお願い」を発出しました。この中でポイントとなる令和5年5月30日に閣議決定された「熱中症対策実行計画」から、高齢者の命を守る取り組みを紹介します。

熱中症予防行動ポスター

目次

「熱中症対策実行計画」のポイント

「熱中症対策実行計画」の目標

我が国では、夏季において猛暑日や熱帯夜の数が年々増加する中、熱中症による救急搬送人員は毎年数万人を超え、死亡者数は近年では年間千人を超える年が頻発しています。
令和5年5月30日に閣議決定された「熱中症対策実行計画」では、中期的な目標(2030 年)として、熱中症による死亡者数を現状から半減するとの目標が掲げられました。
環境大臣を議長とする推進体制のもと、おおむね5年間の行動計画が示されています。

次に、目標を達成するための行動計画についてみていきます。

熱中症弱者のための熱中症対策

高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくい上に、汗をかきにくく、体温を下げる体の反応が弱くなることがあるため、自覚がないまま熱中症にかかる危険性が高いことが指摘されています。「熱中症対策実行計画」においては、高齢者を「熱中症弱者」と位置づけ、具体的施策の1つに「熱中症弱者のための熱中症対策」が盛り込まれています。

熱中症による死亡者の8割以上が 65 歳以上の高齢者となっていること、屋内での死亡者のうち約9割はエアコンを使用していなかった、又はエアコンを所有していなかったことが明らかになっています。
高齢者は、エアコンを適切に利用すること等、自ら熱中症予防行動をとることが難しい場合もあることが指摘されています。

上記のことから、高齢者は自覚がないまま熱中症にかかる危険性が高いことから、周囲の人々が見守りや声かけを積極的に行うことが、熱中症予防のために重要となります。

高齢者の熱中症対策行動

主に高齢者を対象とし、日常生活における注意点や予防法についてまとめた「高齢者のための熱中症対策」リーフレットでは、下記2点がポイントとして示されています。

①エアコンを上手に使う

・ 温度や暑さ指数を確認しつつ、カーテンなどで直射日光を遮るなど、節電に配慮してエアコンを上手に使用すること

②こまめに水分補給する

・ のどが渇いてない場合でも、こまめに水分・塩分を補給すること

熱中症予防のチェックポイント 2023年5月版

「高齢者のための熱中症対策」リーフレットには、熱中症予防のチェックリストが掲載されています。

このチェックリストをいつも見える場所に貼るなどして、大切な人を守るために、身近な高齢者に熱中症予防行動を行っていただくよう働きかけをしていきたいものです。

節電しながらエアコンを上手に使うためには、住まいの断熱も大切です。自分の家(親の家)の場合はどうかしら?という時は、高齢者住宅協会のオンライン相談窓口に気軽に相談してみてください。

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