高齢者向け住宅

働くシリーズ生の声④ 「未知の世界への挑戦」

サービス付き高齢者向け住宅の現地フロントスタッフ、アテンダー、管理者などの生の声をお届けするコーナーです。この仕事に就いた思いや、最近のサービス付き高齢者向け住宅の現状などを語っていただきます。

今回は神奈川県相模原市にあるサービス付き高齢者向け住宅「フレイグラントオリーブナナ」で開設以来相談員を務める『北村美由紀さん』を取材してきました。

目次

「私が相談員?!」

相談員として働きだしたのは、開設と同時期の昨年4月。働き始める前日まで、別の職場に籍を置いていた。前職では15年以上化粧品などを製造販売する会社の「お客様相談室」で日々多数の要望に対応していたこともあり、運営会社理事長である自身の夫から「その経験を活かしてほしい」と白羽の矢が立った。「予想外過ぎて『私ですか!?』と思わず聞き返してしまいました」と当時を振り返り苦笑する。
着任後は不慣れながらも、持ち前の明るい性格とサービス精神で困難に立ち向かっていった。最初は業界ならではの専門的な単語や質問に「何を聞かれているか」すらわからなかったが、根気よく取り組んでいき、今では入居者の無くてはならない存在になった。「まだまだわからないことも多いですが、ひたむきに頑張っています」。

法人としての強み活かす

物件の1階には0から3歳児未満を対象とした小規模保育園が併設されており、最近は園児と入居者が交流する機会も多くなってきた。秋口に行った園庭での芋ほりでは、双方が手を泥だらけにしながら楽しむ姿も見られ、「園児と接すると、入居者様がすごく柔らかい笑顔になるんです」と微笑む。今後も館内のスペースを使って交流の場を創出していく予定だ。
運営法人である「社会福祉法人蒼生会」は、近隣にデイサービスや特別養護老人ホームなども運営しており、入居者の為に連携が取れるのも強み。今年は、介護が必要になった入居者が老人ホームへスムーズに転居する実例もあった。「死ぬまで面倒見てもらいたいと信頼してくれる方もいるので、できることは誠実に応えたい」と思いを語る。

家族一丸で入居者をフォロー

相談員の肩書を外せば、家庭を支える主婦に早変わり。主婦業との兼務に追われることもあるが、家族と協力してやりくりしている。
理事長である夫とは、家で仕事の話をすることはあまりないが、同じ相談員を務める息子とは食事の席で様々な意見を交換している。「私が休む日は出勤してくれるので、その日の入居者様の様子などを共有してくれるのはとても助かっている」と笑みを見せる。
また、夫との毎夜の晩酌が癒しの時間になっている。「最近は共通の趣味である釣りにも行けてないので、仕事が落ち着いたらまた行ってみたいですね」。

「やれることは沢山ある」

当面の目標は入居者の増加と、館内イベントの充実。入居者増加へは、横断幕の設置や内覧会の開催など、募集会社と協力して様々な手を打っている。「まずは8割を目標。一日でも早く実現したいです」物件の名前の由来にもなった金木犀(フレイグラントオリーブ)の前で展望を語る。
また、当初バタバタすることもあった館内の整備や入居者のフォローも年明けから落ち着いてきたこともあり、「入居者が日々を楽しむ為に何ができるか」を深く考えるようになってきた。
入居者は元気な人が多く、好きな音楽や落語を聴きに出かける人や、入居者同士でいる時に手先の器用な人が折り紙細工を教えることもあるという。そうした人たちを上手くマッチさせ個性を活かしたイベントの企画を検討中。「最近は館内にカラオケも導入した。業界初心者らしく、色々挑戦してみんなが満足できるサービスを提供したい」と決意を表明した。


フレイグラントオリーブナナ サービス付き高齢者向け住宅登録情報
編集協力 樋口彰治(高齢者住宅協会/神奈川ロイヤル株式会社

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